がん看護においての緩和ケアチームは、さまざまな専門スタッフからなるチームで、患者とその家族の心身の辛さを和らげることを目的としています。
厚生労働省指定の「がん診療連携拠点病院」には緩和ケアチームの設置が義務付けられており、該当施設の看護師は、「業務の80%以上をチームに充てる専従であり、専門的知識・技能を持つ」と定められています。そのため、緩和ケアチームの看護師は、がん看護専門看護師や緩和ケア認定看護師など、専門資格を持つ看護師が従事しているケースが多くみられます。
メンバーは医師・看護師の他に、身体の状態を維持する薬剤師や栄養士、リハビリ面は作業療法士など、患者のニーズに応じてチームが連携してサポートします。
医師は患者の身体的苦痛に対して、鎮痛剤の投与など、痛みを軽減させるための薬物療法を行います。
看護師は患者の日常生活のサポートや、症状のモニタリングを行います。患者や家族の話を聞いて心に寄り添い、必要があれば患者の問題に対応できる専門スタッフへの橋渡しの役割も担います。また、緩和ケアチーム全体が円滑に活動できるように、各専門スタッフとコミュニケーションを取りながら調整を行うのも看護師の仕事です。栄養士は食事に関するアドバイスを行い、理学療法士や作業療法士はリハビリテーションを行います。仕事や経済的なことに関する社会的苦痛の問題は、ソーシャルワーカーが担当します。
このように各専門スタッフが力を合わせることで、緩和ケアチームは機能することができるのです。